超音波ガイド下ハイドロリリースとは

超音波ガイド下ハイドロリリースのイメージ写真

超音波ガイド下ハイドロリリースは、筋・筋膜性疼痛や肩こりでお悩みの患者様に行われる注射療法になります。

そもそも筋・筋膜性疼痛や肩こりなどの症状は、筋膜(筋肉を包んでいる膜)のしこりや癒着によって引き起こされたトリガーポイントが原因とされ、これは筋膜の上に存在します。なお筋膜は、姿勢の悪い状態を長時間続ける(デスクワークなど)、運動不足の状態が長く続く、同じ筋肉を酷使するといったことをきっかに筋肉に微かな損傷や炎症が起きることで癒着やしこりができるようになると言われています。トリガーポイントに触れるとコリコリとしこりや強く押すなどすると痛みが出るようになります。この症状を解消するには筋膜のしこりや癒着がない元の状態に戻す必要があります。その解消法のひとつがハイドロリリースです。

ハイドロリリースとは

ハイドロリリースとは、筋膜が厚く重積している部位に対して注射をし、薬剤(生理食塩水や局所麻酔薬 など)によって筋膜の癒着を剥がしていくという治療法になります。なお当院では注射の際は、超音波画像診断装置(エコー)を用いて、モニターに映し出された画像を見ながらトリガーポイントのある筋膜に向けて直接注入していきます(超音波ガイド下ハイドロリリース)。これは癒着した筋膜を剥がしていくことが目的なので、副作用を気にする必要もなく、また侵襲が少ないというのも利点です。

なお同治療によって症状が改善されたとしても、これまでと同じような生活習慣を過ごすのであれば再発する可能性は高いです。そのため、リハビリテーション科で理学療法(運動療法)を受けるなどして、できるだけ生活スタイルを変えていただくトレーニングなどを行っていただくこともお勧めしています。

なおハイドロリリースは、筋肉や骨格系に対する痛みに幅広い効果が得られていること、注射なので治療時間も数分で終わるなど患者様の負担も少なくて済むことから画期的な治療法として注目されています。